不動産売買は、不動産業者の仲介ビジネスであるだけではありません。わたしたちが暮らすための住居として、一戸建てや分譲マンションを売ったり買ったりするのは元より、投資対象として不動産売買を行う一般の方々も近年ますます増えています。仲介業者を経る場合が多いとはいえ、不動産売買のコツは、一般のわたしたちもまた知っておきたい心得だと言えるでしょう。
たとえば「住んでいる持ち家を手放して、その売却代金を元に新しく家を建てたい」というケースがあります。このような中古物件を少しでも高く売るには、どんなことが重要でしょうか。とりわけ中古物件の場合は、ほとんどの購入希望者が内外装を中心とした見た目の美しさを重視するのです。さほど築年数を経ていなくても、古びて見えるものは当然ながらマイナス評価となります。家を大切に住んできたかどうかは、屋根、内外壁、庭など、いたる所に現れるものです。日ごろの手入れ、メンテナンスがいかに重要であるかがわかるでしょう。建物ではなく、更地にして売る場合でも、草ぼうぼうの土地は敬遠されがちです。手入れが行き届いていると、家のデザイン、日当たりや風通しまでよく見えるものです。
一方買い手サイドから見れば、不動産は一生の買い物です。見た目ばかりに惑わされず、より優良な物件をよりリーズナブルに購入するには、どんなことが重要になるでしょうか。まず日ごろから、できるだけプロに近い「肥えた目」を養っておくことです。建物の場合は「構造」についての知識を深めておきたいものです。工法によって異なる耐震性、耐火性、気密性などの特性について、実際に建設途中の骨組みを観察したりして、知識だけでなく見る目を養うことができれば最高です。内装に関しても、個人の好みも大切ですが、何より生活動線を考えたデザインであることが肝心です。
不動産売買は、売り手と買い手による「見識と嗜好」のせめぎ合いです。そのコツについて、ほんの一部をご紹介しました。
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